海外販売レポート 2024年7月~9月
SD exportと国内版を合わせた、SUPER DELIVERYの海外販売状況を四半期ごとにレポートしています。海外展開の参考資料としてご活用ください!
全体レポート
この期はアパレルの受注額が下がり、9月からの新学期需要でステーショナリー関連の受注が伸びる通年の動きに加えて、8月上旬の世界的株価下落や円高など輸出関連では変動ファクターの多い期でした。
その中、SUPER DELIVERYの流通額は前期比を上回るペースで、海外全体では引き続き拡大傾向にあります。
「SD運営のひろば」にて最近の各国の現況レポートを先日ご案内させていただきましたので、併せて御覧ください。
世界中で越境ECが盛んになる一方で各国通関は厳しくなりつつあります。証明書等のご提出や商品重量の入力、梱包の強化など、出展企業様にご依頼することも増える傾向ではありますが、よりスムーズな輸出にご理解・ご協力のほどお願い申し上げます。
国別レポート
北米(アメリカ・カナダ)
アメリカ市場は堅調に流通額を伸ばしており、前年比123.4%の着地となりました。とりわけ国内の転送会社を利用した転送経由での流通額が大きく伸び、主にキャラクター商品やステーショナリーなどのジャンルが売り上げを伸ばしました。
販売ジャンル別にみると相変わらず『ステーショナリー・クラフト』、『食器・キッチン』、『玩具・ホビー』が上位を占めており、そこにキャラクター関連のファッションアイテムや『手芸・クラフト』が続く形となっています。特に『手芸・クラフトジャンル』の商品はここ2年ほど大きく流通額を伸ばしており、この期も前年比164.9%と大きく成長しました。今後も引き続き注目ジャンルとして露出を増やしていきます。
市場の景況感としては8月に日本が政策金利を上げたことによる景気低下やその後の円高方向への動きなど輸出面での逆風が吹いていましたが、その影響も限定的な結果でした。しかしアメリカにおける景況感はまだまだ安定的ではなく、さらに11月の大統領選という大きなイベントもあることから秋から年末にかけての情勢は安心できるものではない状況です。
台湾
この期で動きのいいジャンルは、「レディースアパレル」、「ステーショナリー」、「食器・キッチン用品」でした。気候が暑い台湾では秋冬物の先行販売より新学期(9月)に向けてのステーショナリー商品の売上が伸びました。
例年では夏あたりに売上が落ち着く傾向にありますが、立て続けに大型台風が出現したことで経済的影響も大きかった模様です。そのほか、夏休み期間ということもあり、地方路線の増便の影響で台湾からの訪日外客数が過去最高を記録しました。
(参考記事:JNTO)
これからは各種セール( 雙10、雙11、百貨店周年セール、クリスマス等)のシーズンに入るため、流通額が伸びやすい時期になります。
また、就職状況も安定しているため、今後の消費促進が期待できるとのことです。
(参考記事:台湾経済研究院)
香港
7月~9月の上位ジャンルはレディースアパレル、玩具、ステーショナリーとなりました。前期から大きな変動はありませんでしたが、ステーショナリーの売上がこの3ヶ月で好調でした。他国同様に新学期需要の影響と思われます。一方、食器・バッグ財布ジャンルの売上が下降しました。
香港政府統計処よると、 2024年上半期の小売業の総売上価値は2023年同期と比較して6.6%減少しました。旅行者や市民の消費パターンの変化や香港ドルの高い為替レートの影響を受けて、小売業の総売上価値が前年同月比で減少し続けています。
コロナ前、香港は「ショッピング天国」と呼ばれてましたが、コロナ後、香港を訪れる旅行者が減少し、平均消費額も下がったことから、香港の観光関連産業が厳しい状況に直面していることがうかがえます。
(参考記事:HK01 )
韓国
2024年7月から9月にかけて、韓国の流通額は前年同期間比160.5%増、購入人数は182.4%増、登録者数は158.2%増となっています。
よく売れていたジャンルは「ステーショナリー・クラフト」、「玩具・ホビー」、「日用品」です。3位にランクインした日用品ですが、一般的な生活用品ではなく、キャラクターデザインをメインにしたキーホルダーが好調でした。
この期間中は、お盆休みや夏休み中の韓国旅行者の増加、さらに韓国のチュソク連休(9月14日-18日)が重なったため、今年前半よりも注文の増加ペースが緩やかでした。
また、韓国の通関手続きが煩雑なため、一度に大量に仕入れるのではなく分割して小口で仕入れるという特徴があります。そのため、客単価が他の国より低くなっています。
日本は2024年7月21日に韓国の「ホワイト国」優遇貿易対象国の地位を回復させました。これは2019年に歴史問題を巡る対立から生じた貿易制限を解除するもので、4年間の貿易摩擦に終止符を打ちました。この措置により、輸出入手続きが簡素化され、両国間の企業交流が活発化することが期待されています。
(参考記事:朝日新聞デジタル)
また、尹錫悦大統領と石破茂首相の体制で、韓日関係をさらに強化する未来志向的なビジョンがどのように提示されるかが韓国内で注目されています。石破首相の過去の発言から、韓国国内では尹政権との相性が良いだろうと見られていますが、過剰な期待は禁物だという議論もあります。
(参考記事:中央日報)
中国
中国の人気ジャンルは「ステーショナリー」「玩具」「食器」の順となりました。香港・台湾と同様に新学期に向けてのステーショナリーの伸びが良かったです。それ以外には「バッグ財布」ジャンルも好調でした。中国の流通額は昨対を上回る受注ベースとなっています。
日本総合研究所のレポートによると、中国の個人消費は弱い動きとなっています。8月の小売売上高は前月より若干持ち直したものの、趨勢は2月をピークに減少傾向。金融機関や外資系企業による大規模リストラ、若年層の就職難などを背景に、消費マインドは悪化し、個人消費の低迷が続く見込みとなっています。
(参考記事PDF:日本総合研究所)
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