会員インタビュー

<後編>スリランカでフェアトレードやエシカル商品の事業に携わり自分のお店を開業した「Amrita」さんを取材しました。

和歌山県・紀美野町という、大阪から車で一時間くらいの山間部にある小さなショップ&カフェ「Amrita」の店長、山下さん。前編ではフェアトレードやエシカル商品に関心を持った経緯やスリランカでの経験、そして卸・小売事業のスタートについて伺った内容をまとめました。後編は、商品を仕入れる際のポイントやお客さんへの商品提案のコツ、そしてオススメの商品などについて綴っています。

前編はこちら

仕入れの基準は「ストーリーが感じられるかどうか」

スリランカでもさまざまな商品に携わってこられたと思いますが、商品を仕入れる側としてはどのようなところを見て選んでいますか?

エシカルやフェアトレード商品は、その背後にあるストーリーを伝えてはじめて商品としての価値が生まれてくるものだと感じています。そのストーリーが感じられる商品かどうかということを、文章や資料でまずはしっかり確認していますね。また、商品自体にもどんな特性があるのかということは、ネット仕入れの場合も情報をしっかり見てから判断しています。
ほかにも、食品であればオーガニックや添加物を使用していない、トレーサビリティ(その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのかがたどれることの意)がきちんととれている原料を使用しているかどうか?どういう農家さんが作っているものか?などを確認するようにしています。

フェアトレード商品を作っている様子

レシピや使用場面も含め、暮らしに寄り添った提案を

Amritaさんに来られるお客さんは40代~60代の女性が多いということですが、フェアトレードやエシカルの認知度は高いのでしょうか?

エシカル・フェアトレードという言葉は、まだまだ田舎の中高年層の方にはなじみがありません。そのため「これはフェアトレード商品です」の一言で説明を済ますのではなく、どんな点が一般商品と違う「善いもの」なのかを伝えるようにしています。
例えば、無農薬やオーガニックのものを選ぶことで、安心して口にでき、生産者にとっても安全な原料を使用していることを説明します。そのなかで、お客様から「なぜスリランカの商品が多いの?」と聞かれることも多く、私がスリランカで働いていた内容や、途上国の現状の話も時間の許す範囲でお話ししています。
また、実際に使うシーンを提案することも効果的です。例えばレシピを一緒にお伝えしたり、ギフトであればどういう場面での贈り物なのかなど、お客様のよりよい暮らしに寄り添うことが、フェアトレード・エシカルトレード商品の販促へと自然につながるように思います。

商品の陳列棚にフェアトレードのPOPをさりげなく置いてアピール

エシカルやフェアトレード商品は一般的な商品よりも価格が高い印象ですが、お客さんの反応はいかがですか?

価格については、スーパーデリバリーの参考価格などを基準につけていますが、安さやお得さを売りにしているお店ではないので、「善いもの」だと納得していただければ高いという感想は耳にしませんね。
とはいえ、高額なものだと手が出にくいので、エシカルを無理なく取り入れられるような価格帯のものを選ぶようにはしています。食品ですと、500円~1,500円くらいのものがご自宅用にも購入いただきやすいですし、プチギフトにも受け入れられやすい印象です。
「エシカル商品だから少し無理してでも買わなきゃ」とお客様が思ってしまうと、そのときは購入いただけたとしても、継続していかない気がします。そうならないように、お客様が納得していいお買い物をしたと思っていただけるような接客を心がけています。 

オススメ商品の紹介

Amritaさんが卸販売されている商品や店頭で人気の商品を教えてください。

カフェでお出ししているコーヒーにはシサム工房さんの深入りのコーヒー豆を使用しています。シサム工房さんのオーガニックコットンのTシャツなども、一度自分用に購入して手触りがとてもよかったので気になっています。チョコレートで人気があるのはプレス・オールターナティブさんの冬季限定のチョコレート。プチギフトとして、紅茶やハーブティーと一緒に購入いただくことが多いですね。

カフェで出しているコーヒー

自社製品では、スリランカの固有のオーガニックハーブを使用したブレンドハーブティーが売れ筋です。そのハーブティーに合うチョコレートや菓子類などを仕入れて、合わせ売りをしています。夏にはコーディアルやシロップ類などのドリンク・液体類や、無添加のドレッシング、カレーなどのオーガニックスパイス系も人気です。「一度食べてみてよかったから、友だちにもプレゼントしたい」などと、リピートしてくださるお客様も多いです。
オーガニック(一部はフェアトレード認証取得済)のハーブティー・紅茶は、パッケージをリニューアルし「スリランカを感じるお茶、Feel Tea」として5月上旬頃~販売予定です。パッケージは紀美野町在住のイラストレーター、スケノアズサさんに素敵なイラストを描いていただきましたが、スリランカの人々の力強さやキラキラした景色を、味や香りとともに目でも楽しんでいただけると思います。

リニューアルしたパッケージのハーブティー・紅茶

エシカルをテーマにしたライブ配信を開催!

スーパーデリバリーでは2021年4月13日(火)~5月10日(月)に「エシカルコレクション」と題し、さまざまなジャンルのエシカルな商品をご紹介します。4月23日(金)11時からは、今回お話をお伺いしたAmritaの山下さんにも登壇いただき、より詳しい店舗運営のコツやオススメ商品などをお話いただきます。ほかにも、出展企業によるおすすめのエシカル商品の紹介など、エシカルやフェアトレードに関する情報を数日にわたってお届けします。この機会にエシカルやフェアトレードについて学びたい、という方もぜひご参加ください。

詳細はこちらからご確認いただけます。

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霜越 恭子
仕入れサイト「スーパーデリバリー」の出展企業向けの販促や機能・サービスの利用案内、会員事業者向けの販促、エシカル&サスティナブルをテーマとする取材やお役立ち情報の発信を担当しています。内容のわかりやすさ、そして会員側への販促を担当する立場として会員側のニーズを出展企業にしっかりと伝えられるよう、情報収集と発信に情熱を注いでます!

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