優待・割引キャンペーン活用術【ユーザー分析基礎編】
目次
優待・割引キャンペーンとは…?
優待・割引キャンペーンとは企業様から取引可能なユーザー(会員様)に対して割引を適用できる機能になります。
実際の設定手順についてはこちらをご覧ください。
優待・割引キャンペーンは難しい…?
優待・割引キャンペーンの機能をまだ使用されていない企業様からよくいただくお声として「割引した価格が当たり前になってしまいそうで怖い」といったものがあります。
ご心配のとおり、割引を行うキャンペーンはやり方によっては売上が下がってしまうリスクは全くないとは言えません。
本記事ではこの課題を解決するために、優待・割引キャンペーンの活用例として「割引を適用するユーザーを選ぶ」方法をお伝えいたします。
割引したほうが良さそうな会員を分析する
今回の分析対象は過去購入履歴があるユーザーとします。
自社のユーザーを4つに分類してみましょう。
今回は購入金額、最終購入日といった2つの軸で分類しています。
・現役ヘビーユーザー…累計購入額が多く、現在も買ってくれている最優良ユーザーグループ
・現役ライトユーザー…累計購入額はまだ少ないが現在も買ってくれている優良ユーザー予備グループ
・離脱ヘビーユーザー…累計購入額は多かったが、最近みない戻って来て欲しいグループ
・離脱ライトユーザー…累計購入額は少なく離脱気味で最優良ユーザーからは1番遠いが母数が多いグループ
このように4分類した時、どのグループに優待・割引キャンペーンを適用するのが適切でしょうか?
個人的には「離脱ヘビーユーザー」「離脱ライトユーザー」のみに適用することから始めることをおすすめいたします。
ポイント付与などとは違って優待・割引キャンペーンは使用されない限りコストが発生しないため、離脱客の引き戻しに有用です。
もし、割引したことによって売上が下がるリスクを最小限にしたいのであれば「離脱ヘビーユーザー」「離脱ライトユーザー」である離脱客に限定した優待・割引キャンペーンを適用することが適切でしょう。
実際に離脱客に限定した優待・割引キャンペーンを適用してみましょう
今回ユーザー分析に使用した「累計購入額」「最終購入日」といった2軸は管理画面上の顧客検索といった機能で抽出可能なデータです。
データを抽出する
下記手順に従って過去購入履歴のあるユーザーのデータを抽出します。
①管理画面上の顧客管理>顧客検索にて売上実績ありを選択する。
②検索を実行する。
③CSV出力を行う。
member_listOK.csvがダウンロードできると思うのでエクセルで開いてください。
離脱客を抽出する
member_listOK.csvを開くと会員のデータがずらりと並んでいるかと思います。
下記の数式をAH1セルに貼り付けてください。(画像をご参照ください)
=IFERROR(TEXTJOIN(" ",TRUE,IFERROR(FILTER(INDIRECT("$B$2:$B$"&COUNTA(A:A)),MONTH(TODAY()-INDIRECT("$U$2:$U$"&COUNTA(A:A)))>6,NA()),"対象が存在しません")),"対象が1000ユーザー以上です。")
この数式はユーザーの中で直近6ヶ月で購入がないユーザー(離脱客)を抽出できるものです。
黄色マークのある6を3にすると直近3ヶ月で購入がないユーザーを抽出します。
※「対象が存在しません」とエラーが出る場合は条件を緩めてください。
※「対象が1000ユーザー以上です。」とエラーが出る場合は条件を厳しくしてください。
抽出した離脱客に優待・割引キャンペーンを適用する
先の関数を実行するとAH1セルに会員番号が半角スペース区切りの文字列で抽出されるかと思いますので、AH1セルをコピーして会員を個別に指定して優待・割引キャンペーンを作成してください。
ここまでで、離脱客に限定した優待・割引キャンペーンの適用は完了となります。
※会員を個別に指定して優待・割引キャンペーンを作成する方法の詳細はこちらをご参照ください。
ユーザー分析をもとにした優待・割引キャンペーンには期限をつけましょう
ご注意いただきたいのが、ユーザー分析をもとにした優待・割引キャンペーンにはしっかりと期限を設けなくてはいけないというとことです。
それぞれのユーザーがどのグループに割り振られるかというのは時間の経過や購入額によって変化していきます。
ここで同じ会員に同じ割引率で優待・割引キャンペーンを適用していると割引された価格が当たり前になってしまうことに繋がります。
個人的なおすすめとしては、この優待・割引キャンペーンの適用期間は1月と決め、1月後には再度ユーザー分析と新たな優待・割引キャンペーンの適用をすることをおすすめします。
※効果測定に必要なので抽出した会員番号はメモしておいてください。
※効果測定が複雑になるので特別な理由がない限り対象商品は全商品にしておくことをおすすめします。
必ずメルマガを配信しましょう
離脱客とは今後購入をしてくれる確率の低いユーザーなので自社のページを細かくチェックしている可能性は極めて低いです。
そのためせっかく割引をしていても気づいていもらえないことが多いでしょう。
作成した優待・割引キャンペーンの詳細ページを開くと対象会員にメルマガを作成することができますので必ず告知をしましょう。
どれ程離脱客を引き戻せたか調べましょう。
優待・割引キャンペーンを適用して1月が経過したところで効果測定を始めます。
下記手順に従って出荷情報を抽出してください。
①管理画面上の販売管理>履歴検索にて処理状態を出荷済み(すべて)に設定します。
②出荷日を優待・割引キャンペーンを開始した日から本日までに設定します。
③メモしておいた会員番号をコピーして会員番号に貼り付けます。(半角スペース区切り)
④検索を実行します。
この絞り込みによって今回の優待・割引キャンペーンで購入に繋がったユーザーが検索できるかと思います。
何ユーザー引き戻しに成功しているか、自社のアクティブユーザー率(現役ユーザー数/購入実績ありユーザー数)などを指標にユーザ分析の指標の見直しなどを行いましょう。
※優待・割引キャンペーンで商品を指定した場合は対象商品でさらに絞り込みを行う必要があります。
新規とリピーターについて
「1:5の法則」
1人の新規ユーザーの購入を促すために必要なコストと5人のリピーターの購入を促すために必要なコストは等価と語られていて「1:5の法則」などと呼ばれます。
新規の獲得は骨が折れますが既存客を引き留めるのは比較的楽ということです。
そのため、毎月多くの離脱客を出してしまい、高いコストをかけて獲得したユーザーを逃がしてしまっていると非常にもったいないのです。
離脱客を引き戻し、自社のユーザーのアクティブユーザー率を下げないようにすることを目指して運用をしてみましょう。
離脱客の基準はいくつにすればいいのか?
先の例では離脱客の基準を6ヶ月以上購入していないユーザーとしましたが、この基準は企業様によって変わります。
そのため、最適な基準を見つけるためには自身で自社のユーザー分析をして基準を様々変化させ、試行錯誤していただく必要があります。
随時、変更を加えていかなくてはいけないのは割引率なども同様です。本来最適なのは全ユーザーにそれぞれ最適なタイミングでそれぞれ最適な割引率を適用することになります。
最後に
優待・割引キャンペーンは柔軟性の高いコンテンツであって本記事でお伝えしている方法以外にも様々な使い方ができるかと思います。
是非、受注履歴などのデータを活用してオリジナルの活用術を探していただければと思います。
記事についてご不明な点がございましたら、
お気軽にお問い合わせください