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海外販売レポート 2023年7月~9月

全体レポート

海外流通額の国別シェアやジャンル構成比に関しては、前回のレポートから大きな変動はありませんでした。エリア別では北米向けに送料のキャンペーンを実施しており、昨対比でも伸び率が最も高い状況となっています。また、日本向けの旅行者が最も多い韓国でも、日本商品に興味をもつユーザーは増えています。SUPER DELIVERYでも韓国のYoutuberを利用したプロモーション等を実施、韓国の流通額も拡大傾向にあります。

SUPER DELIVERYでは、出展企業様の運営の効率化を目指し「SD運営のひろば」というコンテンツを2023年6月からスタートしています。

「SD運営のひろば」は、私たちスーパーデリバリーの運営スタッフが出展企業のみなさまに向けて、毎週なにかしらのイベントを楽しく開催する定期コンテンツです。海外に関するコンテンツもございますので、今後の運営の参考にしていただければ幸いです。

国別レポート

北米(アメリカ・カナダ)

北米市場(アメリカとカナダ)全体の直近3か月で出荷額では前年比134%と大きく数値を伸ばすことができました。
上位のジャンルは引き続き『ステーショナリー・クラフト』、『食器・キッチン』、『玩具・ホビー』となり、その中でもステーショナリージャンルの商品は、年初来から北米市場で売り上げを伸ばし続けており、直近3か月の出荷額も前年比で約142%と大きく飛躍しています。
その他のジャンルでは『バス・トイレ・ランドリー』や『バッグ・財布』などのジャンルも大きく出荷額を伸ばしましたが、内訳としてはキャラクター商品の売り上げが大部分を占めました。

市場の景況感としては、アメリカにおいて2022年の年初から始まった金利引き上げ終了の見通しが不透明であり、消費者の経済状況の今後に不安感を与えています。また、依然根強いインフレが続いていることもネガティブ要因となっています。その一方で日本商品の販売面では高金利に端を発するドル高円安の状況が追い風となっています。ドル高円安により、日本の商品が相対的にアメリカ市場において安くなったことにより、日本商品の購入者や購入額が増加した形となりました。

香港

人気ジャンル上位は「食器・キッチン」、「レディースアパレル」、「ヘルスケア・コスメ」でした。しばらくランキング3位をキープしていた「ステーショナリー・クラフト」は4,5位を行き来しています。一方で「ヘルスケア・コスメ」の需要が増加傾向にありました。キャラクターデザインが入っている商品は幅広いジャンルで人気があり、特に人気があるのはサンリオです。

「ヘルスケア・コスメ」ジャンルの中では、スキンケア商品に人気が集まっています。主に、クレンジングオイル、ローション、乳液、美白エッセンス、ヘアオイルが好調です。
レディースアパレルに関して、日本国内ではすでに厚めのジャケットやセーターが動いていますが、香港では通年気温高いので、まだ薄いシャツぐらいしか動いていない印象です。

全体的にみると、6月に香港の流通額が過去最高になりましたが、7~9月に少し落ちていました。毎年中華圏では10-11月に大型キャンペーンを行うため、今後回復の兆しがあると思われます。

コロナ後、香港の住民は住宅問題や物価の上昇が懸念されていることもあり、引き続き経済的な不安定感に直面しています。会員店舗の情報によると、貯金できている香港人は地元で消費せず、週末になると中国広州への日帰り旅行や、海外旅行が多くなっており、現地での消費は抑えている様子でした。
一方、政治的な不安も経済に影響を与えました。香港の政治情勢の不確実性が続いており、これが海外からの投資に対する信頼性に影響を及ぼしています。

台湾

台湾で人気のジャンルは、「レディースアパレル」、「ステーショナリー・クラフト」、「食器・キッチン用品」が主となっています。ここ3カ月引き続きレディースアパレルの動きが好調でした。
台湾では夏が厳しく、7~9月には猛暑日が続いていたため、接触冷感や虫よけなどの夏向け商品は引き続き動きがありつつ、秋冬商品の仕入れにシフトするのがやや遅い印象でした。

また、毎年8月に海外会員向けに大型キャンペーンを開催しており、台湾のセール期間も10月~11月に集中しているため、この時期の売上向上につながります。

一方で、コロナの影響で実店舗からネットショッピングへの移行が顕著で、海外からの商品輸入も増えたため台湾税関が厳しくなったとのことです。そのため税金もより徴収されるようになったため、小売店の発注額にも影響を与えていると考えられます。

全体的にみると、世界中の景気低迷、また中国とアメリカの関係悪化などで、台湾産業も引き続き影響を受けていますが、円安の状況が続いているため物価が上がっていても日本からの輸入商品は今までと変わらない価格帯で購入できます。その影響もあり、消費意欲の向上が見られる現状では引き続きサービス業、小売業や観光旅行業などが活発に動くと推測されています。

中国

7~9月の上位ジャンルは「ステーショナリー・クラフト」「食器・キッチン」「玩具・ホビー」となりました。8月は真夏になるので、「ヘルスケア・コスメ」が「食器・キッチン」ジャンルを超え3位となりました。
また8月24日から海洋放出開始により中国で多くの反対声明があり、8月24日(含む)以降、日本原産の水産物(食用水産動物を含む)の輸入は全面的に停止されました。 中国税関は汚染水の状況に引き続き注目し、国民の健康と食品の安全へのリスクを防止するため、関連する規制措置を適宜、動的に調整していく政策をとっています。

中国税関総署が発表したデータによると、今年5月から日本からの化粧品輸入が大幅に減少し始め、また日用品(日用消耗品)も同じく影響を受けているとのことです。

影響を受けているブランドとして、SK2、CPB、資生堂、コーセー、shu uemuraのような有名化粧品ブランドから花王、無印良品までかなり幅広く、今回の海洋放出の件以降、消費者からの返品が相次いでるとのことです。一方で中国国産のブランドの売上が上がっているようです。

来月のW11に関しては、中国の消費者が日本製品に関しての抵抗感があるため厳しいと予測されています。W11の前にある「618」のセール時期から日本企業の売上が減少し、特に化粧品の返品ケースがかなり増えてきました。
中国のEC事業者によると今年のW11に向けて、消費者からは「商品の製造日を教えてください。」という声が相次いでいるそうです。(汚水排出前の商品だけ購入したいという意図のため)。化粧品だけではなくアパレル系の商品も原材料生産地を確認される事が増えてきており、短期的には日本商品に大きな影響を与えているようです。

(※参考:CHINA NEWS

韓国

7月-9月において、韓国会で人気のジャンルは「玩具・ホビー」「ステーションナリ・クラフト」「食器・キッチン」でした。「玩具・ホビー」は今年に入ってからずっと1位が続いております。中でもぬいぐるみ・人形の人気が高いです。「サンリオ」は依然として人気キャラクターになっています。サンリオの中にも色々キャラクターがありますが、韓国では一番人気があるのは「クロミ」です。ほかには、クレヨンしんちゃん、ちいかわ、おぱんちゅうさぎも検索の上位になっています。

8月から9月にかけて、SDから韓国B2B業界で有名なYoutuberの協力のもとプロモーションをかけていた結果、9月韓国からの店舗登録者数は過去最高になりました。ただ商品の検索、輸入の流れなどに不安をお持ちの店舗もいますので、購入につながる施策を実施中です。

経済全体では国内経済政策や、国際的な環境が韓国の経済に影響を与え続けており、経済の安定性と成長を実現するために努力を続けている状況です。

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シマ
SUPER DELIVERYは創業時から携わっており、現在は海外事業で集客や販促等のマーケティング関連を担当しています。皆様の海外への販路拡大の伴走者としてお手伝いしていきます。

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