廃材にもう一度価値を。廃材を使った商品開発を行う早稲田大学学生環境NPO「環境ロドリゲス」の「Re-Cover(リカバー)」チームへインタビューしました
環境問題に向き合いながら、学生ならではの自由な発想で社会にアクションを起こす早稲田大学学生環境NPO「環境ロドリゲス」。
その中で、廃材を使った商品開発・ワークショップを行っているのが「Re-Cover(リカバー)」です。
今回は、企画長の堀行さんと副企画長の三浦さんに、環境ロドリゲス全体の取り組みから、Re-Coverの具体的な活動内容、そして今後の展望まで、お話を伺いました。
(画像左から企画長の堀行さん、副企画長の三浦さん)
目次
- 環境×○○で環境問題に向き合う―6つの企画を持つ学生団体「環境ロドリゲス」
- 廃材に新しい役割を与える商品開発チーム「Re-Cover(リカバー)」
- 「捨てるはずだった素材」が主役に。Re-Coverのアップサイクル商品紹介
- 人とのつながりが資源になる。Re-Coverの廃材調達ストーリー
- すべて手作業で、ひとつずつ。廃材商品づくりのリアルな工程
- 「売る」だけじゃない。販売とワークショップで広がるRe-Coverの活動
- 廃材があれば何でもできるわけじゃない。Re-Coverが直面する課題
- 「もったいない」を社会に広げたい。Re-Coverメンバーの想いとこれから
- スーパーデリバリー出展企業の皆さまへ― 廃材提供のご協力のお願い ―
- 早稲田大学 環境ロドリゲス Re-Cover
環境×○○で環境問題に向き合う―6つの企画を持つ学生団体「環境ロドリゲス」
—まずは、環境ロドリゲスについて教えてください。
堀行さん:早稲田大学で活動している、環境問題に取り組む学生サークルです。「環境」と一言で言っても切り口はさまざまで、現在は環境×「里山」「教育」「海」「地域活性」「商品開発」「プラスチック」の6つの企画があり、それぞれが異なるテーマで活動しています。それぞれの分野から、環境問題の解決に貢献することを目指しています。
—活動の目的や方針についても教えていただきたいです。
堀行さん:大きく3つの活動方針があります。1つ目は、「自由な発想で、学生がさまざまな環境問題に取り組める場を提供すること」、2つ目は「環境問題に積極的に取り組める人材を育成すること」、そして3つ目が「活動を社会に向けて発信し、より多くの人を巻き込むこと」です。学生のうちから環境問題を“自分ごと”として考え、行動できる人を増やしたいと考えています。
廃材に新しい役割を与える商品開発チーム「Re-Cover(リカバー)」
—Re-Coverは、環境ロドリゲスの中ではどんな企画なのでしょうか?
堀行さん:Re-Coverは、環境ロドリゲスの中でも「商品開発」をテーマにした企画です。廃材や使われなくなった素材を活用して、アップサイクル商品を制作・販売したり、ワークショップを行ったりしています。今年で29年目となり、所属メンバーは60人ほどいます。
—商品の開発から販売、ワークショップまでされてるんですね。どのような目的で活動されているのでしょうか?
堀行さん:目的は、資源循環型社会への貢献です。「ものをつくること」自体がゴールではなくて、商品やワークショップを通して、資源がどう循環しているのか、捨てられるはずだったものにどんな可能性があるのかを、参加者の方に身近に感じてもらうことを大切にしています。
「捨てるはずだった素材」が主役に。Re-Coverのアップサイクル商品紹介
—Re-Coverでは、具体的にどんな商品を作っているのでしょうか?
堀行さん:アクセサリーからカレンダーなど雑貨まで制作しております。
カスタネットの端材を使ったカレンダー

堀行さん:カスタネット工房からいただいたカスタネットの端材をベースにしたカレンダーです。
装飾には、鮭の鱗や海岸で拾った貝殻、他団体から提供いただいた廃棄予定だったサンゴなどを使用しています。
様々な廃材を中に閉じ込めたレジンアクセサリー


堀行さん:中に廃材を閉じ込めてレジン液で硬化させたアクセサリーです。レジン液は環境にやさしいもの購入して使用しています。
中に入れる廃材は様々で、宮城県の魚加工店さんとのご縁から、鮭のうろこをいただき、アクセサリー作りに使用しています。魚の内臓などは衛生面や匂いの問題がありますが、うろこは加工しやすく、素材としても魅力的でした。また、ペットボトルキャップは、大学内で集めたもので、環境ロドリゲスのプラスチックチームから提供してもらっています。
チョウザメの鱗を使ったアクセサリー

堀行さん:まず、チョウザメの鱗からアクセサリーを制作している動画をSNSで見つけたことがきっかけでした。そこからチョウザメを実際に捌いているアカウントを見つけ、その方へDMで連絡を取ったところ、チョウザメの鱗をご提供いただけることになりました。
こうしていただいたチョウザメの鱗を素材として、Re-Coverではレジンアクセサリーを制作しています。
古着を使ったくるみボタンのヘアアクセサリー、ティッシュカバー


堀行さん:ティッシュカバーに使用している古着は、Re-Coverメンバーが実際に着用していたものです。まだ着られる状態でありながら使われなくなった衣類に、新たな役割を与えることを目的に、
アップサイクル素材として活用しています。
Re-Coverメンバーの紹介をきっかけに、群馬県前橋市でコミュニティスペース「GALYEA(ガレア)」を運営し、地域活性化活動を行っている大和さんとつながりました。そのご縁から、大和さんより伊勢崎銘仙(着物)のハギレをご提供いただいています。
また、福島県にあるNPO法人を実際に訪問し、東日本大震災の際に支援物資として集められ、現在も保管されている古着についてお話を伺い、その中から一部を素材として譲っていただきました。
これらの素材を使用して制作したくるみボタンは、Re-Coverの活動だけでなく、「GALYEA」さんでも販売されています。
人とのつながりが資源になる。Re-Coverの廃材調達ストーリー
—これだけ多様な廃材は、どのように集めているのでしょうか?
堀行さん:実は、新しく廃材を探しに行くというより、これまでの先輩たちの代が集めてきた廃材が倉庫にたくさんあるんです。それをどう活かすかを考えながら、代々受け継がれて商品を作っています。新しい廃材については、多くは環境ロドリゲスとして以前から関係のある団体さんや企業さんから声をかけていただいたものですね。ですが、今後はもっと新しい廃材を見つけていきたいと思っています。
—新しい廃材を見つける方法としてはどのように考えていますか?
堀行さん:チョウザメの鱗の提供をいただいたときのように、個人でSNSを通じてメッセージを送ってみるなどもできると思いますが、正直新しい廃材を見つけるのはなかなか難しく悩んでいます。
すべて手作業で、ひとつずつ。廃材商品づくりのリアルな工程
—商品はどんな工程で作られているのでしょうか?
堀行さん:基本的にはハンドメイドで制作しています。1つ例としてカレンダーの制作工程をご紹介します。
1.カスタネットの端材をノコギリでカット
カスタネットの端材を、カレンダーの台と数字をかけるパーツにカットします。

2.組み立て
カットした端材を組み立てます。

3.装飾
鮭の鱗やペットボトルキャップ、海で拾った貝殻やシーグラスなどで装飾します。

材料の一例
4.数字部分を作成
数字部分は印刷→ラミネート→穴あけをします。

5.数字を土台に取り付け完成!

—完成するまでの制作時間はどのくらいかかりますか?
堀行さん:制作時間は1個あたり約1時間半ですが、実際には「どうすれば手に取ってもらえるか」を考えながらデザインを試行錯誤するので、もっと時間がかかることもあります。
—試行錯誤を繰り返し1つの商品が出来上がるんですね、1つ1つにそれぞれの想いが込められているのがわかります。
堀行さん:そうですね、商品1つ1つに制作したみんなの思い出があるので、売れたときはとてもうれしいです。
「売る」だけじゃない。販売とワークショップで広がるRe-Coverの活動
—制作した商品は、どこで販売しているのでしょうか?
堀行さん:定期的なのは、年に1回・11月に私たちの大学で開催される早稲田祭です。その他は不定期で各地のマルシェや環境関連のイベントにも出展しています。マルシェは、これまでつながりがない場所にもチャレンジしています。
—ワークショップも開催されていると伺いましたが、どのようなタイミングで開催されていますか?
堀行さん:イベント等での販売時に横で開催することが多いです。内容としては、レジンアクセサリーのワークショップを行うことが多いです。過去には、小学校での出張授業なども行いました。

ワークショップの様子
—幅広く取り組まれているんですね。イベントなどは外部から声がかかることもありますか?
堀行さん:はい、学生団体の中では環境ロドリゲスの知名度もあり、イベントや団体さんから声をかけていただくこともあります。
廃材があれば何でもできるわけじゃない。Re-Coverが直面する課題

作業の様子
—活動していて大変なことはありますか?
堀行さん:そうですね・・・やっぱり一番大変なのは、廃材を集めることです。環境に関わるものなら何でも使えるわけではなくて、特に食品関連の素材は衛生面の課題がありますし、そもそも団体の倉庫のスペースにも限りがあるので、量が多すぎても保管しきれないんです。
—廃材の種類や扱いやすさも影響しますよね。
堀行さん:そうなんです。それに、ただ素材を集めるだけでなく、「どうすれば売れる商品になるのか」「売れやすい商品が作れる廃材って何なんだろう」というところでも悩みます。
—たしかに、“環境に良い”と“商品として魅力的”の両立は難しそうです。
堀行さん:まさにそこが難しいところで・・・。環境への配慮を第一にしつつ、今までの廃材とは違う新しい商品にも挑戦したいんですが、「環境に優しい×魅力的な商品」を両立させるのって、想像以上にハードルが高いんですよね。実際、これまでに作った商品の中でも、正直、あまり売れなかったものもたくさんあります(笑)。でもそれも全部、次のアイデアにつながる経験だと思っています。
—大変な中でも続けている理由は何かありますか?
堀行さん:やっぱり、廃材に新しい価値を与える活動が好きなんだと思います。「もっとこうしたらいいのでは?」という気づきがあるし、買ってくださった方が「すごい!」「ほしい!」「かわいい!」と言ってくれると、やっぱり嬉しいです。だから大変なこともありますが、これからも新しい商品づくりに挑戦していきたいと思っています。
「もったいない」を社会に広げたい。Re-Coverメンバーの想いとこれから

—最後に、企画長の堀行さんと副企画長の三浦さんの想いを伺いたいです。どのような想いでRe-Coverの活動に取り組まれているのか、これからどのように活動したいか教えていただけますか?
堀行さん:私は、資源循環型社会という考え方を、もっと多くの人に持ってもらいたいです。「本来は捨てられるものだけど、別の価値を与えられないか?」そう考えるきっかけを、Re-Coverの商品を通して届けたいと思っています。一人ひとりの「もったいない」という気持ちの積み重ねが、社会を変えていくと信じています。
三浦さん:わたしたちの代の目標は、「本当に環境に良い商品を開発して販売すること」です。私は、環境のためとは何かを考えること自体に意味があると思っています。最近では廃材だけでなく、ジュート素材のバッグなど、「環境に優しい素材」として商品を作ったりもしています。今後は「環境のためとは何か」という視点も大切にしながら、商品開発を続けていきたいです。
—素敵な想いを教えていただきありがとうございます。お二人、またRe-Cover、環境ロドリゲスのみなさんの想いがこれからも広がっていくよう私たちもスーパーデリバリーとしてできることを積極的に取り組んでいきたいと思います!本日はありがとうございました!
スーパーデリバリー出展企業の皆さまへ― 廃材提供のご協力のお願い ―
Re-Coverでは現在、商品開発・ワークショップに活用できる廃材を探しています。
- ・製造過程で出る端材
- ・規格外、廃棄予定の素材
- ・使われなくなった資材・パーツ など
それらは、学生の手で新たな価値を持つ商品へと生まれ変わります。
また、提供いただいた廃材は、環境教育や資源循環を伝えるストーリーとしても活用されます。
「捨てるしかない」と思っていた素材が、次世代を担う学生の学びや、環境アクションにつながるかもしれません。
少量からでも構いません。廃材提供にご興味のある出展企業さまは、ぜひ以下よりRe-Coverさんへご連絡ください。皆さまのご協力を、心よりお待ちしております。
連絡先:recover@gmail.com
早稲田大学 環境ロドリゲス Re-Cover
Instagram:https://www.instagram.com/re_cover22/
最新の活動内容や商品の様子は上記アカウントにてチェックできます!
廃材提供に関するご相談は以下よりお願いいたします。
recover@gmail.com

商品制作中のRe-Cover(リカバー)のみなさん
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