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海外販売レポート 2023年1月~3月

全体レポート

毎年1月・2月は日本の正月休暇、アジア圏の旧正月があるため海外の流通額は下がる時期となります。今年は旧正月も1月だったため、例年と比較しても1月単月の流通額は厳しい状況でしたが2・3月と盛り返し、3月の台湾は過去最高の流通額となりました。

全体の国別流通額とジャンル別流通額に関しては、2022年10月~12月と比較しても大きな変動はありませんでした。ステーショナリーではキャラクターのシールやマスキングテープが上位を占めており、直近ではキッズの半袖Tシャツや乳液の受注が増えています。また、海外でもここ数年でキャンプの人気が高まっていることもあり、キャンプグッズ需要も増加傾向にあります。

先日、出展企業・海外小売店・弊社の3社で情報交換会を実施しました。その中で、小売店舗はどのように日本の商品を探すか聞いたところ、インスタグラムで検索する事が多いとのことでした。これは他の出展企業様からもよく聞くのですが、最近はインスタグラムで自社の商品にたどり着き、直接ダイレクトメールで問い合わせがくることが増えているそうです。今後、海外への情報発信を検討されている企業様は、まずインスタグラム等で、情報発信していくことから始めてみてはいかがでしょうか。

国別レポート

北米(アメリカ・カナダ)

人気ジャンルと人気商品

年末にかけてのブラックフライデー、クリスマス商戦という販売時期が12月で終了し、2023年の年明けから小売市場全体で商品の仕入れが増えてきました。その傾向は米国政府が公表している、小売業の売上高在庫比率の数字からも見て取れます。その動きと呼応するようにスーパーデリバリーでも年初より北米からの受注が増加傾向にありました。

人気のジャンル群は変わらずステーショナリー、食器・キッチン用品、がん具・ホビー用品となっていいます。
ただ、3月に入り、中堅銀行の相次ぐ破綻報道とグローバル投資銀行であるクレディ・スイスの経営不安を通じて、市場全体が少し弱気ムードを示している事が春以降の北米の受注における懸念点としてあげられますが、現時点でSUPER DELIVERYにおいては大きな打撃を受けておらず、堅調に北米からの受注は増加傾向です。

(参照:United States Census , Yahoo! ニュース

香港

人気ジャンルと人気商品

今年に入ってから訪日観光客の数が急激に増えています。日本政府観光局が発表したデータから見ると、2月の香港からの観光客は11万9400名、去年と比べて1704倍という高い水準になっています。来日人数の多い国は韓国、台湾、香港の順となっており、香港は3位ですが、増加率は最も高い数値となっています。1月は旧正月のため、現地通関や物流が全部止まっていました。毎年、旧正月の時期は小売店としても仕入れがしずらい期間となり流通額にも大きく影響を与えます。その為、10-12月と比較すると、香港の流通額は下がりました。

2月後半からは徐々に回復傾向にあり、ジャンルで見るとレディースアパレル1位、食器・キッチン2位、ステーショナリー・クラフトが3位となっています。3月はバッグ・財布も上位ジャンルに上がってきています。ジャンルごとの商品でみると、食器・キッチンはグラスやティーポット、レディースアパレルはトップス、ステーションナリーは筆記用具が人気です。コロナ後は売れる商品も、外出に使えるものに変化しつつあります。

(参照:JNTO日本政府観光局)

台湾

人気ジャンルと人気商品

台湾で現在最も好調なジャンルはレディースアパレルで、春夏物新作の掲載に合わせて受注が増加した形です。
特に気温と湿度が高くなるこれからの季節は、どちらかというとシンプルで着回しの利くカットソーやワンピースが好まれる傾向です。

その他のジャンルとしては、調理器具などのキッチン用品やステーショナリーなどが好調なほか、日本同様に近年需要が高まっているアウトドア系のアイテムの動きが良いようです。
昨年末より国を跨いだ行き来が盛んになってきており、台湾から訪日して仕入れをするバイヤーも急増しています。

コロナ禍で日本からのネット仕入れの需要が増加しましたが、渡航規制の撤廃によってそれが再び減少するという懸念がありましたが、訪日自体を目的としている側面も強いためネット仕入れと、訪日しての仕入れは別モノとして考えられているようです。

この3年間で得たニーズを、今後いかに製品やサービスに還元できるかがポストコロナの鍵となると考えています。

中国

人気ジャンルと人気商品

今年の旧正月は昨年より1ヶ月程早く、旧正月中は税関が完全に閉鎖されていたため、1月の売上はこの3ヶ月間で最も低い状況でした。
旧正月の連休では3億800万人の国内旅行者があり、海外旅行については、1位タイ、2位シンガポール、3位マレーシア、4位カンボジア、5位インドネシアで東南アジアが上位を占めました。例年1位の日本はビザの問題もあり今回上位から外れました。

1月から2月にかけての訪日中国人の総数は6万7400人で、コロナ前の2019年と比較すると95.4%の減少、2022年と比較すると1651%の増加でした。1月20日に日本大使館は中国人の日本への渡航ビザ発行を再開すると発表したことで、飛行機代が落ち着けば、来日する中国人は増えると予測されますが、以前のような爆買が戻るかはわからない状況です。

旧正月中の中国国内観光収入は3758.43億元を達成し前年比30%増でした。外出の機会が多くなり、家にいる時間がコロナ時より大幅に減少したことで、食器類の売上成長は鈍化傾向にあります。一方で以前から中国では人気のあった、手帳作成が再度ブームになっている事もあり、文房具の売上は好調でした。 特に2月は毎年恒例の日本文具大賞が2月中旬頃に発表されるのも、売上に大きく寄与していると思われます。

政策面は日本政府が日本に留学した留学生に対し、最初の6ヶ月間は消費税免税で商品を購入できるという施策を実店舗向けに実施していましたが、4月1日から免税対象から外れることが発表されました。これまでは多くのバイヤーが留学生を雇い、免税で商品を代理購入するというビジネスが多くありましたが、この免税施策がなくなることにより、中国人バイヤーにとっては大きな打撃となるでしょう。
これにより実店舗での免税メリットがなくなるので、バイヤーはネットでの買い付けを強化する機会が増える可能性があり、これはEコマース企業にとってはいい機会になるのではないでしょうか。

(参照:sohu.com , 中国新闻网官方帐号 , JNTO日本政府観光局)

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シマ
SUPER DELIVERYは創業時から携わっており、現在は海外事業で集客や販促等のマーケティング関連を担当しています。皆様の海外への販路拡大の伴走者としてお手伝いしていきます。

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