海外販売レポート -2025年の振り返りと今後の動向-

全体レポート

2025年の海外市場全体を俯瞰すると、国ごとに景気動向や社会環境、消費行動が異なる一方で、共通して「付加価値の高い商品・ジャンルへの需要」が堅調であることが特徴として見られます。各国市場は、外部環境の変化に影響を受けながらも、それぞれ独自の成長機会を示しており、今後の海外展開に向けた示唆が得られる一年となりました。

■欧米流通額推移

海外市場の中でも、特に欧米は動きの多い一年となりました。8月のアメリカにおける関税施策の影響により配送手段が大幅に制限され、物流面で大きな影響を受けました。一方、欧州では販促強化が奏功し、フランス・イギリスを中心に流通額が拡大しています。代表・小方の現地訪問記も掲載しておりますので、ぜひご参照ください。

越境ECマーケットは拡大傾向にありますが、各国の施策や政策の影響を受けやすい側面もあります。SUPER DELIVERYは多国展開が可能なプラットフォームであるため、特定の国に依存せず、広く複数国への販売を行うことをお勧めいたします。

また、越境販売では通関対応が非常に重要です。これまで求められることのなかった証明書の提出依頼、商品重量の入力、梱包の強化など、出展企業様にご協力いただく場面が増えておりますが、よりスムーズな輸出実現のため、引き続きご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

国別レポート

北米(アメリカ・カナダ)

北米市場の年間流通額は、2024年比で約125%と成長しました。一方、2025年春頃からトランプ関税の影響が顕在化し、特にアメリカでは新規購入・新規登録が大きく減少しました。慎重かつ消極的な購買姿勢が見られるようになりました。さらに、関税の影響で利用可能な配送手段も減少し、食器・キッチンなど一部ジャンルでは売上に打撃が出ました。

その中でも、ステーショナリーは着実に売上を伸ばしています。「軽くて体積の小さい商品を好む」という小売店からの声も多く、外部環境の影響を受けにくい主力ジャンルとなっています(消耗品で仕入れ回転が早い点も追い風です)。2026年は、作家系の出品も多い「ハンコ(スタンプ)」を重点ジャンルとしてプロモーションを強化する予定です。

2025年には、新規強化ジャンルとして「手芸・クラフト」を推進し、結果として前年比122%の伸長を記録しました。特に刺し子や毛糸などのDIY素材が好調で、コロナ禍で定着した「在宅でできる趣味」需要が継続しているためと考えられます。

また、近年アメリカで抹茶ブームが拡大し、SNS上で“自宅で抹茶を作る・アレンジする”という動きが流行したことを背景に、抹茶碗などの抹茶関連雑貨の露出を新たに強化しました。その結果、流通額は前年比167%、月平均購入人数は148%となりました。

北米市場は引き続き成長していますが、アメリカ依存のリスクも踏まえ、欧米他国へのアプローチを強化していく方針です。

台湾

台湾で現在よく動いているジャンルは、「レディースアパレル」「食器・キッチン用品」「ステーショナリー」です。スーパーデリバリー台湾の売上は大きな変動こそないものの、年々堅調に成長しています。

ただし、台湾は国土が小さく商圏も限られているため、広告投下による新規会員獲得を続ける戦略から、既存顧客の客単価・LTV向上を重視した戦略へとシフトしています。その一環として、台北での展示会開催やPOP UPイベントへの出展など、リアルな接点の機会を増やし、ニーズの吸い上げや個別フォローに取り組んでいます。

さらに2026年1月7日より、台北駅近くにSDショールームをテストオープンしました。常時10社ほどの商品を展示し、会員が気軽に商品を手に取れる場として提供しているほか、非会員にもサービスを身近に感じてもらう場として広く開放しています。ショールーム展示に興味がある場合は、コンサル担当またはサポートデスクまでお問い合わせください。

台湾の景気は近年安定した成長を続けていますが、家計消費は増加する一方でインフレ傾向もあり、消費者の価格感度は依然として高い状況です。「お得感」を重視し、「モノ消費」から「コト消費」へのシフトが続いています。事業者向けにも同様の傾向がみられ、ショールームなど付加価値を伴うサービス提供を通じて、台湾市場の拡大を目指していく方針です。

香港

2025年の香港向け流通市場は、流通額・購入人数ともに前年比80%を下回り、景気低迷の影響が顕著になっています。主要ジャンルである「レディースアパレル」「食器・キッチン」「玩具・ホビー」の順位は変わりませんが、消費者の節約志向が強まり、衣料品や耐久財は割引中心の購入へとシフトしている傾向があります。

現地の観光客数は増加しているものの、一人あたりの消費額はコロナ前の水準に戻っておらず、高額商品の売上が伸び悩んでいます。富裕層観光客が減少したことで衝動買いも減り、小売業全体の回復にはつながっていない状況です。香港政府統計処のデータ上では、2025年11月の小売販売額が前年比6.5%増と一定の回復を示していますが、1~11月累計では0.4%増にとどまり、全面的な回復とは言えません。失業率は横ばいで、一部業種では依然として厳しい状況が続いています。

また、コロナ期に地元へ集中していた消費は、海外旅行の再活性化や車で中国本土へ入境できる制度により域外へ流出し、地元小売への打撃が大きくなっています。特に生活用品の需要は縮小し、オンライン購入との差別化が難しい商品は価格競争に巻き込まれています。

総じて、香港の小売市場は複数の要因が重なり回復が鈍い状況ですが、観光客増加など改善の余地もあります。今後は価格競争から脱却し、機能性や独自性の高い商品の提供やオンライン活用など、付加価値型の戦略が重要になると考えられます。
(参考:政府統計局 )

韓国

2025年の韓国市場は前年比111.5%と安定した成長基調を維持し、年間を通じて良好な成果を達成しました。新規会員が着実に増加し、既存会員のリピート購入も堅調だったことで、注文件数・流通額ともにバランスよく伸長しました。

上位ジャンルは「ステーショナリー・クラフト」「玩具・ホビー」「日用品」で、特にステーショナリー・クラフトの成長が顕著でした。上半期は新規登録と初回購入が最も活発で、特に2〜3月に新規会員流入のピークが形成されました。1〜3月(Q1)は通年で見ても高水準の取引活動が集中する期間となりました。

下半期は再び売上が強化され、10月は年間で最も高い受注金額を記録しました。11月は年間で最も注文単価が高く、年末の繁忙期需要が客単価の上昇につながりました。

韓国市場では、通関手続きの複雑さやリスク管理の観点から、小口仕入れを複数回に分けて行う傾向が強くみられます。そのため、客単価は相対的に低くなるものの、購入サイクルが速く、リピート率が高い点が大きな特徴です。

中国

2025年のSD中国向け輸出は、流通額前年比124.2%、購入者数114.4%と、いずれも堅調な成長となりました。内訳では、Export取引が流通額139.3%、購入者数119.3%と高い伸びを示し、客単価も116.0%と上昇しました。Forward取引も流通額123.2%、購入者数113.9%、客単価107.7%と安定成長を維持しました。

ジャンル別では、1位「玩具・ホビー」、2位「ステーショナリー・クラフト」、3位「食器・キッチン」となりました。近年、中国では若者を中心に二次元文化(推し文化・谷子経済)が急速に浸透しており、関連商品の需要拡大が玩具・ホビーの成長を牽引しました。ステーショナリー・クラフトでは特にマスキングテープが高い人気を集めています。食器・キッチンでは、キャラクターデザインの弁当グッズや水筒、日本製の「和」デザイン商品が支持されています。

月別では3〜4月、9〜10月に伸びが見られ、新生活需要やイベント向けの仕入れが影響しました。特に10月はダブル11・ダブル12向け需要で過去最高の流通額・購入者数を記録しました。

一方、11〜12月は大幅に減少しました。背景には10月以降の日中関係の緊張があり、日本渡航自粛要請、輸入規制、交流事業の停止・延期などが報じられ、企業活動の不確実性が増しました。

SDのデータでは、11月以降は客単価の低下が特に顕著で、リピート会員の変動は少ないものの、新規会員の購入・客単価が予算を大きく下回りました。この状況を踏まえ、現在は新規獲得よりも既存会員に重点を置いた施策強化を進めています。

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シマ
SUPER DELIVERYは創業時から携わっており、現在は海外事業で集客や販促等のマーケティング関連を担当しています。皆様の海外への販路拡大の伴走者としてお手伝いしていきます。

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